「支援介助法」とは、発達障害や知的障害の人がパニックを起こした時の誘導方法として開発された介助技術です。
その技術は、自分も相手も傷つかないことを基本として、身体に負担を掛けない力の使い方や、相手の力を利用すること、また、あまり意識しない身体の能力を生かす方法などを駆使して考えられています。
特に特別支援学校、福祉事業所、施設などでパニックになった方に有用ですが、落ち着きのない児童や高齢者の介護、リハビリテーションにも活用できます。
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<支援介助法の誕生の経緯>
支援介助法の発案者である廣木道心氏は、自閉症で知的障害のある我が子との育児を通じ、障害児のパニック時の問題行動と向き合うことになり、誘導時の具体的な方法論が確立されないことに気付きます。
武道家でもあったことから独自にお互いが傷つかないための誘導方法を模索して子どもがパニックを起こした際に、誘導と支援を行ってきました。
それはあくまでも父親としての育児の中で行われていた個人の技術でしたが、子どもの成長や変化を側で見ていた学校関係者が関心を示したことから口コミで広まり、同じように障害児を持つ親や介護現場のヘルパーから誘導法を教えてほしいと頼まれるようになりました。
そこで学校現場や医療福祉の施設での様々な虐待の事件や事故を知り、深刻な現状を知ったことで廣木氏は研究を深めることを決意します。
臨床を兼ねて自らもヘルパーとなり、様々な現場での経験を通じて、お互いが傷つかないための誘導技術である「支援介助法」を考案したのです。
現在、様々な支援スキルとのコラボレーションを図りながら、より良い支援プログラムの構築を行っています。
「親の立場として、誰かに自分の子どもが傷つけられるのは悲しいことですが、それと同時に自分の子どもが誰かを傷つけられるのも悲しいことです。だから自他共に傷つかないためにどうしたらいいか?ということを一緒に考えて頂きたいのです」
支援介助法のスキルを考案した背景には廣木氏の障害のある息子を持つ一人の父親としての願いが込められています。